THE VELVET ROPE
声を重視したjanet,というなら音を重視したVELVETROPEといったところでしょうか。 ジャネットがこのアルバムを「31年かけて作った」と言うだけあって非常に深い、重厚で良い作りだと思います。1曲1曲が本当にジャネットの主導で作った、と感じさせます。ジャネットの心の根底にあるもの深さが現れているようで個人的には大好きなアルバムです。 曲は、本当にR&Bの典型と言えるようなものから、先進的なものまで、ジャネットがいまだにその音楽性を追求しつづけていることを良く示しているものが多いです。 ジョニミッチェル(Joni Mitchel)のBig Yellow TaxiをサンプリングしQ-tipとの掛け合いが妙味なGot 'til it's gone(この曲を引っさげプロモーションに来日しました♪Hey!X3にも出てましたよね!)。実兄のことを暗に指しているようなYou。恋人とのディープな夜を歌っていると噂されツアー中に恋人と破局し、ツアーではほとんど歌われなかったGoDeep。同性愛を含んだFreeXoneやTonight's the night、HIVを前向きに捉えた(ジャネット自らもそのエイズ基金へ参加している)Together Again、王道なR&BテイストのI Get Lonely、SMっぽい歌詞のRope Burnなど、多くのタブーと言われているテーマの詞を、実験的なサウンドも用いて描いているカッコいい問題作ばかりです。 「何でジャネットは今さらこんなに実験的なサウンドを用いてるのか?」と思う皆さん、もしジャネットが同じようにアルバムを作っていたら満足できたでしょうか。女王然としないで、常に新たなサウンドを追い求めて最前線に居続ける。だからこそジャネットはR&Bの枠を越えて他のアーティストの1歩先にいられるのだと確信します。アーティストから多くのレスペクトを集めているのはこの辺からもきてるのでしょう。 白人テイストが出ていた(?)前作に比べて、こちらはブラックって言う感じです。クラブに良く行く方には「janet.」よりもこちらがおすすめ。知ってる曲もきっと多いはずです。(1999) |
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